ブランドコンセプト
「食の宝庫」の鹿児島の資源を最大限に活かすべく、農業生産者や自治体と協力しながら「地産化粧品」「食べ物のような化粧品」という切り口で、「天然由来成分100%、ケミカルフリー」のスキンケアがコンセプト。そして、モノづくりを通じて「地方創生」に寄与できることを目指す。
商品の特徴
パッションフルーツに含まれる豊富なビタミン類とクエン酸の保湿作用と、エイジングケアに役立つ点に着目。化粧水の原料として地元特産品の農業廃棄物果実を全て使用。果肉を丁寧に取り出した水蒸気蒸留水を 100%使用。果皮に含まれるエイジングケア成分はサトウキビ由来の BG でエキス抽出し高配合。シンプルでさっぱりしたテクスチャーですが、美容効果の高いパッションフルーツ蒸留水が染み渡り高いうるおい効果が期待される。
製品開発ストーリー
商品開発はブランドが始まった翌年の 2017 年夏に始まる。
南大隅町の特産品パッションフルーツがようやく安定的に出荷され当時 3 軒の生産者で3tほどの量だったが、出荷前に完熟せずに大量の果実が廃棄されていた事が開発のきっかけとなる。初年度は実験的に果実をまるごと蒸留してみましたが、香りにバラツキがあり持続性が悪く商品化を断念。その後、果皮をエキス抽出してみたところ甘い香りがしたことから追加配合することで、お肌のエイジングケアと香りの補完に成功し、2018 年夏に初めて商品化した。ところが当時は、生産者が少なく原料の安定確保ができなかったため「期間限定品」として販売していた。その後、同町での生産農家が増え、本年度からは年間 15t 出荷されるまで成長し特産品となったパッションフルーツの約 10%出る廃棄物の全量を買取ることで町内 8 軒の生産農家と契約。原料の安定確保と安定生産が可能になったことから、本年 2021 年 7 月にリニューアルした。
香りの課題があった果実蒸留水は、バラの蒸留法から得た技術を生かし、また一つずつ果肉を取り出して手間ひまをかけて蒸留することで、香りのさらなる安定化が実現。
さらに、容器本体はバイオマスプラ原料 100%を使用したボトルを採用し、環境に配慮したアップサイクル化粧品として商品化した。2021 年 6 月にクラウドファンディングを活用し、廃棄物買い取り資金の確保と活動の幅広い周知を目的として行い資金の調達に成功した。
詳細情報
https://botanicanon.com/passionfruit-skinlotion/
審査員コメント
櫻井啓裕
廃校になった小中学校を工場にという点や地産原料へのこだわりなど、地方創生を起点に多角的に取り組んでいる姿勢が素晴らしい。そして製品はハッとするほどのフレッシュ感と官能感に衝撃すら受ける。
鈴木款
化粧品業界にいた作り手が娘さんのアトピーにショックを受け、地元鹿児島の植物を使ったコスメと農業の融合を目指した。過疎地域で廃校を使いながら、地方創生にも貢献。パッションフルーツの香りもラベルもインパクト抜群。
関 龍彦
すぐれたアンチエイジングパワーを持つパッションフルーツに注目したこと、そして廃棄予定の果実を買い取り、使用していることに拍手!鹿児島の廃校になった小学校を工場にしているというバックストーリーもステキです!