ブランドコンセプト
日本の固有植物に最適なかたちを。
商品の特徴
鹿児島・岸良の地域固有植物、辺塚橙(へつかだいだい)の果皮と枝葉から抽出した発酵エキス配合。
97%植物由来成分配合フェイスオイル。
生産者の顔が見える無農薬・無化学肥料栽培の辺塚だいだいを使用。
肌にすばやく浸透し、内側からふっくらとした潤いとツヤを与えます。
植物療法士の森田敦子氏監修のもと、地域固有の果実・辺塚だいだいから抽出した発酵植物オイルを配合しました。9種の植物オイルと3種の精油を絶妙な黄金比でブレンドすることで成分単体では出すことができない効果と肌なじみの良さを実現。ほのかにビターで深い香り、サラサラと伸びる使い心地、そして肌が弾むような仕上がりで深い保湿をもたらします。
製品開発ストーリー
EUDITIONを創ったのは、辺塚だいだいという地域固有の素晴らしい柑橘に出会ったのがきっかけでした。出会いは生産地である鹿児島県肝付町岸良出身の化粧品会社勤務時代の大先輩に声をかけられたこと。「故郷・岸良が賑わいを失ってしまったので、地域活性のNPO立ち上げに協力して欲しい」と連絡をもらい2016年3月に初めて岸良を訪れます。鹿児島空港から2時間半、軽自動車を飛ばして山をいくつも超えます。コンビニもスーパーもパチンコも銀行も病院もない、紺碧の海と力強い深緑の山々、ほんの少し畑と民家と個人経営の商店があるだけの集落にたどり着きます。
岸良の地勢との出会い。原生林が育む豊かな土壌。
鹿児島県肝付町岸良。大隅半島の東部に位置し、内之浦宇宙観測所(JAXA)があることで有名ですが、同時に縄文時代から照葉樹林の原生状態に近い森林が残っている貴重な地域です。山水が豊富なため、2018年まで地元には上水道が通っていませんでした。豊かな森が、土壌を育み、降り注ぐ雨が海に流れ、沿岸を豊かにし、雨となってまた降り注ぐ、美しい循環のある土地です。
鹿児島県人もほとんど知らない地域の食文化を彩る辺塚だいだい
豊かな外海でとれる天然のサザエや岩ガキや魚類、海岸で海藻をちぎって晩のお味噌汁に。山では山菜とイノシシ。川には手づかみできるくらいの手長海老。辺塚だいだいを絞って食べます。地元で消費されるため当時は鹿児島県人でも知る人はほとんどいませんでした。
NPO理事に就任するが発起人が夜逃げ
地元の誇りをつくりだそうと奮闘するNPOのメンバー(平均年齢62歳)の意気込みと地勢に惚れ込み、2016年8月にNPO理事に就任。辺塚だいだいのジャムやジュース作りを手伝いながら、商品の単価や利益率の低さが気になり、持続可能性があるのか、生産者に負担がかかっているのではないか、考え始めました。
そんな中、NPO発起人であり、私を理事に誘ってくれた先輩がNPOの業務を放り出し、引き継ぎも予告もなく車で夜逃げ。他の理事が打ちひしがれる姿を見るのは辛く、涙よりうめき声が出るほど悔しさでいっぱいでしたが、ここで立ち止まったことで、結果的にはそれまでの活動を振り返ることができました。
森田敦子さんとの出会いで開けた道、地域固有の植物の価値と機能的魅力を知る
その頃、植物療法氏の森田敦子さんと出会い、ファイトアレキシン(木が病気になると自ら治癒しようとする力、カテキン類など)をサッカロミセス(酵母菌)で培養し生理活性を起こして新規成分開発できることがわかります。そもそも原生林に育まれた豊かな土で古くから自生しているため、根粒菌の働きが強く、堆肥や農薬がなくても土地の力だけで健やかに育つ辺塚だいだい。固有種であるがゆえに、成分が非常に強い。それを酵母菌で培養することで成分はより高まり、良質な化粧品原料ができました。
そして、様々な課題をクリアできました。
・培養により急激に農家の生産量に負担にならない
・培養によりある程度安定的な原料製造ができる
・捨てられる果皮と枝葉をアップサイクル
・春に剪定する枝葉が、旬の果実以外の農家の収入源に
化粧品原料開発は費用も期間もNPOには負担が大きいため、NPOが廃棄する皮や枝葉を自社で購入し全責任を負って成功するまでやり続けようと決心しました。
詳細情報
審査員コメント
田島尚子
ここ最近、盛んになってきた地域固有植物の保護活動。このブランドも「辺塚だいだい」の一部をアップサイクルし、酵母菌による培養によって美容効果の高い成分にして、オイルの製造を行っている。豊かな土壌を持つ土地での、平均年齢の高い生産者たちとの今後の活動を応援したい。